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この人もトゥモローズ・ウォリアーズ出身 ジュリー・デクスター [ブリテン諸島]

Julie Dexter  PEACE OF MIND.jpg   Julie Dexter  DEXTERITY.jpg

ピンクパンサレスから、フェルナンダ・ポルトそしてDJパチーフィと
ブラジルのドラムンベースに飛び火したんですが、
UKブラックで前にもこんな人がいた記憶があるんだけど、誰だっけなあと、
ずーっと気になっていて、やっと思い出しました。
ジュリー・デクスターです。
ジャマイカ人両親のもとにバーミンガムで生まれ育った、
UKブラックのシンガー・ソングライター。

99年にアメリカへ渡ってアトランタに移住し、
自身のレーベル、ケッチ・ア・ヴァイヴを立ち上げてデビューした人です。
2000年に出たジュリーのデビューEPの1曲目 ‘Ketch A Vibe’ を聴いて、
ノック・アウトを食らったんだよなあ。ドラムンベースを下敷きにしたトラックが、
なるほどUKブラックだからなのねとナットクしたものでした。

ジュリーのスウィートな歌い口とチャーミングな表情にマイってしまって、
その後02年に出たフル・アルバムの“DEXTERITY” ともども、当時ヘヴィロテしました。
‘Ketch A Vibe’ は “DEXTERITY” にも再収録された
ジュリーのシグニチャー・ソングだったので、
ドラムンベースのイメージがことさら強く記憶に残ったのでした。

ところが久しぶりに棚から取り出して、ライナーを眺めてみたら、あれっ?
‘Ketch A Vibe’ は、ドラムスにホワイリーキャットという名前がクレジットされてますよ。
これウチコミじゃなくて、生演奏だったのか!
そうか、出だしのドラミングを聴けば、ウチコミじゃないのは歴然だよな。
ドラムンベースを生演奏にトレースしたトラックだったのかあ。

あらためてライナーのクレジットをじっくりチェックしてみれば、
ウチコミを使ったトラックもあるものの、ほぼ生演奏主体じゃないですか。
当時ジュリー・デクスターは、オーガニックなテイストのネオ・ソウル・シンガーという
受け止めでしたけれど、この本格的なジャジーなセンスはひょっとしてと、
バイオを調べてみたら、びっくり。

なんと、トゥモローズ・ウォリアーズに通っていた人だったんですね。
ジャズ・ウォリアーズのメンバーのサックス奏者ジェイソン・ヤードに誘われて、
キャムデン・タウンのジャズ・カフェのサンデー・セッションで歌っていたとのこと。
そこでベーシストのゲイリー・クロスビーと知り合い、ゲイリーが91年に設立した
トゥモローズ・ウォリアーズに通う初期のメンバーだったそうです。
コートニー・パインにフックアップされて、
バンドのヴォーカリストとして世界ツアーにも参加していたとは、ビックリ。

そうかあ、ジュリーはR&Bじゃなくて、ジャズの人だったのね。
トゥモローズ・ウォリアーズのワークショップ・プロジェクトから生まれた、
ジェイソン・ヤード率いるJ.ライフにヴォーカリストとして参加して成功を収め、
J.ライフは98年のヤング・ジャズ・アンサンブル・オヴ・ザ・イヤーでペリエ賞を受賞し、
ジュリーはヤング・ジャズ・ヴォーカリスト・オヴ・ザ・イヤーで
ペリエ賞を受賞したそうです。

あらためて “DEXTERITY” のクレジットをチェックしてみれば、
全曲生演奏じゃないですか。
EPでは数曲プログラミングのトラックもありましたけれど、
フル・アルバムはすべて人力だったとは、うわぁ、ぜんぜん意識していなかったなあ。
フィラデルフィアのR&B/ヒップ・ホップ・ドラマー、
リル・ジョン・ロバーツも起用されているじゃないですか。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2014-08-03
R&Bとジャズを横断するミュージシャンたちが、
ジュリーをバックアップしていたんですね。
ジェイソン・ヤードも名前を連ねていますよ。

当時オーガニックなネオ・ソウルという側面からしか評されていませんでしたけれど、
トゥモローズ・ウォリアーズ出身のシンガー・ソングライターとわかれば、
グッと聞こえ方が変わってきますね。

Julie Dexter "PEACE OF MIND" Blackbyrd 506125-2 (2000)
Julie Dexter "DEXTERITY" Ketch A Vibe KAV002 (2002)
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