声とハープ ルース・ケギン&レイチェル・ヘア [ブリテン諸島]
マン島のゲーリック・シンガー、ルース・ケギンの新作。
14年に出た彼女のデビュー作を、以前ここで書いたことがあります。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2014-05-21
デビュー作と同じメンバーで16年に2作目を出していて、
姉妹盤という趣でしたけれど、それから6年ぶりとなる新作は、
スコティッシュ・ハープ奏者で、マンクス・ハープ音楽の第一人者でもある、
レイチェル・ヘアとの共演作になりました。
ルースとレイチェルの二人がマン島でレコーディングしたあと、
スコットランドでフィドル、ブズーキ、バウロンを、3曲オーヴァーダブしたんですね。
ブズーキを弾いているのは、レイチェル・ヘアの夫のアダム・ローズ。
アダムは、マン島のフォーク・トリオ、バルーのメンバーです。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-12-20
アクースティックな音づくりで、「声とハープ」というシンプルなプロダクション。
前2作より格段に軽やかとなったルースのヴォーカルには、ちょっと驚きました。
最初聴いた時は、別人かと思ったもん。
クリスマスの子守唄2曲をメドレーにしたオープニングは、
まさに今の季節にどんぴしゃ。
透明感のあるルースの歌声と、氷の粒が響くようなレイチェルのハープの音色が、
冬の情景を拡げてくれます。
レパートリーはマン島のトラッドばかりでなく、
3曲目の ‘Tri Nation Harp Jigs’ の曲名が示すとおり、
スコットランド、マンクス、アイルランドの順で演奏されるジグ・メドレーもあります。
エレガントなマンクス・フォークばかりでなく、
美しく気品のあるケルティック・フォークに仕上がりました。
Ruth Keggin & Rachel Hair "LOSSAN" March Hair MHRCD006 (2022)
2022-12-13 00:00
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