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日本未入荷の絶品サルサ ジェリー・フェラオ [カリブ海]

Jerry Ferrao Y Su Orquesta  DESAFIO.jpg

オランダという意外なところから登場した
サルサ快作を仕入れたエル・スールの原田さん、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2023-01-20
もう1枚、とびきりのやつを見つけていたそうです。

それが75年サン・ファン生まれのソネーロ、ジェリー・フェラオのデビュー作。
原田さんいわく、
送料が高すぎて売り物にならないので、仕入れを断念したとのこと。
市場には流通していないCDで、
おそらくライヴ会場で手売りしているだけなんでしょうね。
CDだけでなくLPも作っているようで、自主制作にしては珍しいですね。
お店の仕入れを諦めたというので、
その情報をもらって入手したわけなんですが、
原田さんが見つけただけのことはある、ヘヴィー級サルサでありました。

昨年出た作品ながら、録音は18年から20年にかけて行われていて、
リリースまで2年の間が空いたのは、コロナ禍ゆえなのかもしれません。
じっくりと時間をかけ、満を持しただけのことはある大力作ですよ。

幼い頃からボンバとプレーナの只中で育ち、
長くボンバ・シーンで活躍したジェリーは、
伝説的なラファエル・セペーダのファミリー・グループで、
20年にわたりパーカッショニストとして活躍したという、筋金入りの伝統派です。

デビュー作は全12曲すべて、ジェリーのオリジナル。
長年磨き上げてきたボンバの ‘Despierta Taíno’ もあれば、
タメの利いたソン・モントゥーノの ‘Mi Mejor Amigo’ に、
踊らずにはいられないマンボの ‘Nuestro Secreto’ なんて、もう最高です。

ジェリー自身がパーカッショニストだけに、デスカルガでのリズムのキレも申し分なく、
偉大なティンバレス奏者に捧げた‘Los Grandes Timbaleros’ では、
ドゥエーニョ3兄弟(長男エンデル、次男ペドロ、三男アンヘル・パポ)による
ティンバレスのソロ応酬が圧巻です(この曲はYouTubeでも観れます)。

一方で、90年代のRMMを思わすようなサルサ・ロマンティカの
‘Me Olvidé de la Tristeza’ なんて曲もあって、硬軟の使い分けも巧み。
オーケストレーションは、ウィリー・ロザリオ、ロベルト・ロエーナ、
バタクンベレを渡り歩いた実力派ピアニスト、ペドロ・ベルムーデスが
務めているので、パーフェクトですね。

歌手としては、やや一本調子なのが否めませんけれど、
デビュー作ならではの気合の入りようが、
そんな弱点もカヴァーしているんじゃないでしょうか。
ほとばしるエネルギーが、その歌いぶりからよく伝わってきて、
そのイキオイに圧倒される一枚です。

Jerry Ferrao Y Su Orquesta "DESAFIO" Jerry Ferrao no number (2022)
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