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ビクツィ・ギター・ヒーローに捧ぐ ジブラルタル・ドラクス [中部アフリカ]

Gibraltar Drakus  HOMMAGE A ZANZIBAR.jpg

カメルーンのビクツィづいているオウサム・テープス・フロム・アフリカ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2023-07-27
ロジャー・ベコノのデビュー作に次いで出たのは、
ジブラルタル・ドラクスのデビュー作です。
ロジャー・ベコノと同じインター・ディフュージョン・システムから
89年に出たレコードで、ロジャー・ベコノの一つ前のレコード番号だったんですね。

ロジャー・ベコノのアルバム同様、ミスティック・ジムがディレクションしていて、
バックのメンバーも全員同じ。
ジブラルタルは、ロジャー・ベコノのアルバムにコーラスで参加していましたが、
ジブラルタルのアルバムには、ロジャー・ベコノは参加していないようです。

Gibraltar Drakus  LE ROI BANTUBOL ET L'ORDRE ZOBLAK.jpg

このレコードも今回リイシューされるまで見たことすらありませんでしたが、
ジブラルタル・ドラクスは、99年にJPSから出たCDを1枚持っていました。
99年作は全曲ビクツィではなく、スークースもやっていて、
ビクツィ特有のギターでなくルンバ・スタイルのギターになってしまっているのが残念。

どちらのジャケットも、レ・テット・ブリューレと同じ
フェイス・ペインティングを施していて、
ジブラルタルがレ・テット・ブリューレのフォロワーであることは歴然。
しかもこの89年デビュー作はタイトルにあるとおり、
レ・テット・ブリューレのリード・ギタリスト、ザンジバルこと
エペメ・ゾア・テオドールに捧げられています。

なんでもジブラルタル・ドラクスはザンジバルを兄貴分のように慕って、
作曲やギターを習っていたのだそうで、歌ばかりでなく、
ギターも弾くようにとザンジバルに励まされていたのだそうです。
このデビュー作の前年、ザンジバルはわずか26歳の若さで亡くなってしまい、
ジブラルタルにとってこのデビュー作は、
ザンジバルへの恩返しの気持ちをこめたアルバムだったのかもしれません。

さきほどロジャー・ベコノのアルバムと制作スタッフが同じであることは書きましたが、
ギター・サウンドには少し違いがみられますね。
ロジャー・ベコノのアルバムではリード・ギターとリズム・ギターの絡みが、
伝統ビクツィのバラフォンの伴奏をギターに置き換えた演奏となっていましたが、
ジブラルタルのアルバムでは、リズム・ギターがほとんど目立たず、
前面に出たリード・ギターが1台でバラフォンのサウンドを奏でています。

ギター・バラフォンと称されるビクツィのギターは、
タバコの箱のアルミ・ホイルを弦の間に挟むなどして弦をミュートするのが特徴で、
ザンジバルが弦の間を通した紐をブリッジに寄せるシーンが、
レ・テット・ブリューレのドキュメンタリー映画にあったのを覚えています。
ここではシンバことエヴッサ・ダニエルが、特徴的なビクツィのギターを弾きまくっていて、
カリスマ・ギタリスト、ザンジバルへのオマージュを捧げています。

Gibraltar Drakus "HOMMAGE A ZANZIBAR" Awesome Tapes From Africa ATFA048 (1989)
Gibraltar Drakus "LE ROI BANTUBOL ET L'ORDRE ZOBLAK" JPS Production CDJPS51 (1999)
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