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バルス・ペルアーノのボサ・ノーヴァ的展開 チャブーカ・グランダ [南アメリカ]

Lo Nuevo de Chabuca Granda.jpg

ごめんなさい。
チャブーカ・グランダの未発表曲集ということで、ずっと「パス」してたんです。
チャブーカのアルバムは手元に何枚もあるし、
なにも未発表作まで手を出さなくても…、な~んて思ってたのでした。

ところが、日本盤が出たのを機に聴いてみたら、びっくり。
こんなチャブーカ、聴いたことない!
こりゃ異色中の異色作じゃないですか!
未発表作なんてことより、異色作かつ問題作ということを強調すべきアルバムですね。

なにが異色って、いきなりフランス語で歌い出す1曲目に、
えぇ?これがチャブーカなの?と驚かされるわけですけど、
問題はまるっきりボサ・ノーヴァ・スタイルのギター。
いつものバルス・ペルアーノとはまったく異なるタイプのギターです。
これ、いったい誰が弾いてるんでしょうか。
フラット・フィフス、フラット・ナインスやディミニッシュを多用するコード使いは、
どう考えてもオスカル・アビレスとかじゃないですよねえ。

まるでデモのようなラフな音質のこの録音、どういう経緯で残されたんでしょう。
15曲中13曲は自作とはいえ、
残りの2曲はアルゼンチンのフォルクローレとアストラ・ピアソラの曲という選曲もナゾで、
ひょっとしてアルゼンチン録音なのかもしれませんね。
じゃあギターは最近日本でも人気のアルゼンチン人ボサ・ノーヴァ・ギタリスト、
アグスティン・ペレイラ・ルセーナか、なーんて、まさかね。
一番ありえる線は、68~75年にチャブーカのギタリストだったルーチョ・ゴンサレスでしょう。
ルーチョはジャズ的なコードを使ったギターも弾きましたからね。

チャブーカのヴォーカルは、アマチュアぽいところが物足りなくもあるんですけど、
こういうボサ・ノーヴァぽいシャレたサウンドだと、ぴたりハマりますね。
つい、いつものバルス・ペルアーノより魅力的かも…と、口がスベっちゃいそうです。

Chabuca Granda "LO NUEVO DE CHABUCA GRANDA" Iempsa IEM0572-2 (1968)
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