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敬虔な仏教徒のミャンマー伝統歌謡 キンポーパンチ [東南アジア]

Khin Poe Panchi  MINGALAR AH HKWAR TAW.jpg

待ってました! ミャンマーで8月に発売されたキンポーパンチの新作。
7月19日、彼女のフェイスブックに新作のジャケ写が公開されて以来、
首を長くして待ってたんですけれど、やっと手元に届きましたぁ。

デビュー作では、ツインテールのまだあどけない15歳の少女だったキンポーパンチ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2016-08-16
4年を経てすっかり成長し、豪華絢爛なゴールドのドレスに身を包み、
大人ぽくなった姿を見せてくれます。
といってもまだハタチ前、19歳のティーンですからね、
歌声ははち切れる若々しさに溢れています。

オープニングとラストの2曲は、フォーク・ロック調のサウンドで、
ベース、ドラムスのリズム・セクションが付くポップ曲。
いかにもミャンマーらしい、毒のない穏やかなメロディで、
微分音の音階使いがミャンマー・ポップスならではですね。

そして、この2曲にサンドイッチされた7曲は、すべてミャンマータンズィン。
ピアノ(サンダヤー)とフネー(ダブルリードの笛)に、
チャウロンパッ(大太鼓と横一列に並ぶ異なるサイズの太鼓のセット)と思われる打楽器が
くんづほぐれつしながら、華やかなサウンドを生み出し、
そのバックでシンセサイザーが分厚いハーモニーを付け加えていきます。

今回はサイン・ワインは使っていないようですけれど、
黄金色に輝くサウンド・プロダクションは、ミャンマー伝統歌謡の王道といえるもの。
この本格的なサウンドをバックに、みずみずしくも清廉な歌声をきかせる
キンポー嬢の歌いぶりも鮮やかです。

デビュー作から成長著しい歌声を披露した快作となっているんですけれど、
彼女のフェイスブックには、新作を出した後も、
特にプロモーションをしている様子がうかがえません。
これって、メーテッタースウェのフェイスブックも同じなんですけれど、
SNSをプロモーションにぜんぜん使わないんですね。

フェイスブックのタイムラインを見ていても、新作関連の記事というと、
先に書いた発売前のジャケットが公開されたのと、
8月12日に出荷前のダンボールに詰まったCDの写真が載せられただけ。
CD発表の記者会見だとか、お披露目パーティみたいな芸能人ぽい記事はいっさいなく、
「CD絶賛発売中! みんな買ってね!」みたいなガツガツした宣伝も皆無。
4年ぶりの新作リリースというのに、拍子抜けするほど盛り上がらず、
タイムラインには淡々とした日常が綴られています。
これが日本の19歳だったら、どんだけ騒がしくなるかと思うんだけれども。

キンポーパンチもメーテッタースウェも、そんな自分の新作プロモーションより、
僧侶に寄進をしたり、僧院の行事へ参加したりという、
仏教徒らしく功徳を積む姿が盛んに投稿されています。
ミャンマータンズィンを歌う伝統歌謡の歌手たちの活動は、
コンサートよりもチャリティが中心のようで、
あらためて敬虔な仏教徒であることを印象付けられます。

Khin Poe Panchi "MINGALAR AKHAR DAW" Man Thiri no number (2019)
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