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クレオール・ケイジャンの伝統と現代 ロスト・バイユー・ランブラーズ [南アメリカ]

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戦前ケイジャンをそのまま再現するような演奏ぶりなのに、
ちっとも古臭くないどころか、すごくヴィヴィッドなサウンドに
いつも目を見開かされ思いのする、ロスト・バイユー・ランブラーズ。
フィドルのルイ・ミショーとアコーディオンのアンドレ・ミショーの兄弟を中心に、
パワフルでディープな伝統ケイジャンを奏でるグループです。

ポピュラー音楽の基礎となったカリブ海発祥のリズム「カリンダ」をタイトルにした
17年の前作から2年、ドキュメンタリー映画のサウンドトラックという新作が届きました。
ジャケットに描かれているビーバーに似たヌートリア、一見カワイく見えますけれど、
これが水辺の植物を食べ尽くす害獣で、
繁殖力が高く、ルイジアナでも深刻な被害で問題視されています。

サウンドトラックということで、
ルイ・ミショーの唾が飛び散るようなヴォーカルが聞けるトラックは少なめですけれど
映像的なサウンドをふんだんに表した本作は、
ロスト・バイユー・ランブラーズの新境地といえ、
アイディアに富んだ短めの22曲を詰め込んだアルバムは、聴きものです。

そのなかでも、変わらないのは、ルイ・ミショーの荒々しいフィドル。
世の中のサウンドがおしなべてスムースにきれいになっていくなかで、
こんなにプリミティヴな味わいをデビュー当時から保ち続けているのは、嬉しいですね。
トランペットをゲストに迎えた2曲で、
ノスタルジックなダンスホールの雰囲気を横溢させるほか、
ヒップ・ホップ・トラックもあり、ゴリゴリの伝統と現代性を共存させる手腕が鮮やかです。

Lost Bayou Ramblers "RODENTS OF UNUSUAL SIZE (Music From The Motion Picture)" Lost Bayou Ramblers no number (2019)
Lost Bayou Ramblers "KALENDA" Lost Bayou Ramblers no numer (2017)
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